朝。目が覚める。
まだ暗い中で、意識だけが起き上がる。
外から、鳥の鳴き声が聞こえていれば。
もうじき、夜が明ける。日の出の時刻がやってくる。
遠くや近くで聞こえる鳥の声。
きょうはスズメが近くまで来ているな。
ハトは、いつもの遠いところにいるみたい。ぽーぽー響いてくる声。
鳥の声を聞きながら、ゆっくりとストレッチを始める。
目が覚めたころに比べると、もうだいぶん明るくなってきた。
部屋のなかがみえるくらい。
近くの遊歩道を、人が歩く声がする。
朝のお散歩を日課にしてるだろう、家族連れの声。
いつもの時刻あたりに、たぶんいつもの人たちが通っていく。
いつもどおりの朝。
身体を、いつもの手順で起こしていったあと。
今日のべんとうに何を入れるか考える。
考えながら、しぶしぶと布団のなかから這い出す。
そのころには、もう。外はほのりと明るくなってる。
ごはんが炊けるタイマーも、そろそろ出来上がるころ。
いつもどおりの朝。
そんな朝が、きょうもあることが。少し嬉しい。
ぼやんとしながら、周りの音を聞いて。内の感覚さぐって。
ぼわぼわと動き始める朝の時間。
そんな時間があることが、とてもありがたい。
……これが、わたしの好きな時間。
いつもどおりの朝の風景。