こころの景色も、自然界の景色と似ている。
べったりと、まったく同じもの。一様に広がるものなんて、自然界にはない。同じように作られていても、少しずつ違うものでできている。同じように毎年、同じ季節が来ても、少しずつ風景は違う。
それと同じように、こころの景色も。その時々に変化していく。
今は雨ふりでも、晴れ間が見えるときも来る。晴れ間が来たと思ったら、また曇ったり。突然、嵐が来てびっくりすることもある。
そして、天候なんて気にならないくらいにおだやかな凪(なぎ)の時間もある。
移り変わるのが当たり前。
そう、思っていればいくらでも、できることは見つけられる。
雨が降るなら、傘の用意を。
雪が降るなら、多めに着込んで。
晴れるのならば、お茶をもっていこう。
今朝は、どす黒い気持ちから始まった。 その黒さを一度、身体から切り離した。
そして、夜。改めてゆっくり時間を持つ。
どす黒さの真っ黒さんに語りかける。「朝はごめんね。今からゆっくり聞くね。聞かせてね」
真っ黒さんは言う。
うらやましかったの。誰かと一緒に遊んで楽しいと、言えることが。
わたしも、一緒に遊びたかったな。同じ、その時ではなく違うときに。違う風に。
そして、やっぱり。あの中に入ってみたいの。
自分の中にみつけた「黒い」気持ちの真っ黒さん。
なかみがわかれば、なんともいえず、途方に暮れる。真っ黒さんは、こどものわたし。
まだ、わたしだけの世界にすべてを引き込みたいと思っている。 10年以上かけてゆっくりほどけてきたつもりだけれど、調子を崩すとすぐ、この癖が出る。
そうか。うらやましかったのか。
じぶんも一緒に遊ぼうって言いたかったのか。
そして、一緒に遊びたかったのか。
だったら、次。
一緒に遊ぼう、って誘ってみよう?
わたしも一緒に遊びたい、と言ってみよう?
一緒に遊べるかどうかは、相手次第。
絶対に遊べる約束なんてない。
そのことは、しっかりと思い出して覚えておいて。
それでも、遊ぼうと聞いてみる勇気を持ってみよう??
真っ黒さんは、すこし、穏やかになって、こころの奥へ帰っていった。
今、わたしのこころにさざ波はたっているけれど、凪に近いようす。
—
こころの中も、雨が降ったり晴れ間が出たり。
晴れしかない。晴れにしたい。
思いが固まってしまうと、振り回されて疲れてしまう。
天気は、うろうろと変わるもの。
そのことを思い出す。覚えておく。
そして、変わる天気のその時々に、自分ができる手当てを知っておく。用意しておく。
真っ黒さんがいるときは、真っ黒さんとわたしとでお話をする。
にこっ、にんまり。笑顔でいるときは、その笑顔を周りにおすそ分けする。
そうしておけば、どんな天気もたのしめる。 どんな気分も、それでよし!と思える。