高いビルの上から窓の外を眺めると、空と地表と。広く遠くまで見ることができる。
天と地とをながめてみれば、ゆっくりとうごく雲が、地面に影を引き連れて動いていく。
高い場所にある雲は、影がとても薄いこともあり。本当に影を連れているのかが見えづらいこともあるけれど。
ふとしたひょうしに、もやんと薄い影がビルの壁に映り込むのをみて、
「あの薄い雲も影を引き連れているのだな」と感心する。
雲をながめて、天を見て地表を見て。
天も地も、どちらも動いているということを確認する時間。
じぶんがヒトではなくて空気の一部になっているような。
とってもちいさなミニチュアの世界に入っているような。
自分の境目がなくなったような感覚が面白く、ここちよい。