露が降りているそのようすを、まちのなかでみることはなかなかないけれど朝に湿って感じられる空気が好ましい。
聞こえてくる音もにぶく感じられ、世界がとてもおごそかに感じられる。
湿った朝の空気はまつりの前の夜、宵宮の空気感にも似ている。明日の夜明けに起きることが楽しみなような、まつりの音を聞くことに身が引き締まるようなそんなここちを思い出す。
稲を刈り、稲を干した田の真ん中で、どんぶりにいれた祭りのごちそう、煮た鶏とじゃがいもをたべる。そのゆげもあわせておもいだされる。
幼かったころの小さな一瞬。祭りの日の、特別な「日常」。