朝。空をしばらくながめていると、太陽が昇るのに合わせて雲のはしがすこしずつひかりにふれ、しろくひかりはじめる。
朝の始まりのころには、まだ、ひかりは弱くかすかで。雲のはしは赤かったりピンクだったり、色をかすかに帯びるくらいだ。けれども、太陽が上がって来るにつれて、ひかりを増し、雲はどんどんとその白さを増していく。
光はいくつもの色を集めてできているらしい。そのことを理科の知識として知っているし、プリズムをとおして虹を見ることができるからうっすらと体感もある。
ひかりが色を重ねてできあがっていることを、朝の雲を見るたびに思い出す。
多くの色が重なって、ひかりが白になっていく。
ひかりが強い時には、色が重なっていることを意識もせず忘れている。ひかりが弱い時こそ、持っている色が見える。
だとすると、こころ弱くなってる日にみえる景色も、いつもみているひかりのごく一部の景色。
そう思てみると、心弱くなってる日もなんだか愛おしく感じられる。